営業職用の表記できていますか?
前回、職務経歴書に記載する内容として、MRの方は、「担当領域、担当製品、担当エリア、主な施設名」など、営業経験者の方は「担当商品・製品、担当エリア、主な担当先」をとお伝えしました。
具体的に、どういったことを書いていただきたいかというと、
①取り扱っていた商材の名前、種類
例:MR→扱っていた製品の種類、疾患領域
不動産営業→分譲マンション(投資用?住居用?)、個人住宅など
保険→生命保険、損害保険など
その他有形商材の営業→商品名は勿論、上の不動産や保険のように
一般化した言葉があるとわかりやすいです。
②どんな顧客を担当したか?
担当エリア、法人・個人営業の別、新規開拓・既存顧客営業の別等
③実績
売上額、対目標比や対前年比の達成率、表彰の有無等
このうち特に書き方が難しいのが実績の部分。まずは、箇条書きにするのか、文章にするのか。もちろん書くべき内容がしっかり書かれていれば、形式はさほど気にされることはないと思いますが、ここは「第三者にわかりやすい」ことを重視して箇条書きの方をお勧めしたいですね。文章でずらっと書かれていると、内容がしっかりしていても、見落としが出る可能性もあって、お互い困ることにもつながります。
また、企業の守秘義務との兼ね合いも気になるところですよね。
社外秘のデータや固有名詞を使うことは、コンプライアンス意識を問われることにもつながるので、細かいところまで書けないという場合には、「●●(ご自身の営業手法など)に取り組んで◇◇(新規顧客開拓、既存顧客の売り上げ向上、営業所の売り上げ目標の達成など)に貢献した」といった形で、書ける範囲の中で必要な事実を記載しましょう。
例えばこんなイメージ。
【実績】
- ●●●年度:売上●●●●万円 (目標達成率●●●%)or (社内順位)
- ●●●年度:売上●●●●万円 (目標達成率●●●%)or (社内順位)
- ●●●年度:売上●●●●万円 (目標達成率●●●%)or (社内順位)
(数値が出せない場合はここが取り組んだこととその成果に置き換わります)
【表彰等】
- ●●●年度 年間(or上下半期)売上額 支店〇位達成により支店長表彰を受賞
- ●●●年〇〇月 〇年連続売上目標達成率100%以上達成により支店長表彰を受賞
など
表彰についても、ポイントは「必要な情報をできるだけ簡潔に記載する」こと。
時々、表彰を受けて旅行に行ったことを書いてくださる方がいらっしゃいますが、大事なのは何を達成したことで得た表彰なのか、その表彰にどんな意味があるのか(ある一定以上の数値目標の達成が必要、会社内で年に数人しか受賞できないなど)の方です。
伝えたい気持ちはわかりますが、試験官に興味をもってもらえれば詳細は面接で話せますから。
書類では必要な情報のみにとどめておく方がよいでしょう。
CSOで勤務した場合の表記について
前回、派遣形態で勤務した際の表記の仕方についてお話しましたが、CSO企業でコントラクトMRとして勤務されていた場合も、同じように派遣元(所属するCSO企業名)を経歴に書き、詳細で派遣先のプロジェクト名(「企業名」若しくは「外資/内資系企業」など)を明記。その下に職務経歴の詳細を書くと良いと思います。
一般企業でいう配属先の支店や営業所を記すところが、派遣先企業・プロジェクト名になるというイメージですね。
例)
■職務経歴1
□20**年**月~現在 シミック・イニジオ株式会社
◆事業内容:コントラクトMR、メディカルアフェアーズ事業
◆資本金:5500万円 従業員数:約800名 東証プライム上場
20**年**月~20**年**月 □□事業部門△△△部 〇〇製薬株式会社プロジェクト
コントラクトMRとして従事
担当エリア:~
担当領域:~
・・・・・
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当社に応募する場合のポイント
ここからは当社に応募する方に特にご注意いただきたいポイントを4つご紹介します。
経歴は時系列がわかるように
職務経歴書の書き方には、経歴を古いものから順番に書く「編年体形式」と、反対に最も新しい経歴から順にさかのぼる「逆編年体形式」、関連したスキルごとに経験をまとめる「スキル式」の三種類がありますが、当社では履歴書と同じ並びで、時系列に沿って記載いただくようにお願いしています。
履歴書は大体、古い経歴から新しいものへ順に書いていく場合が多いと思いますので、職務経歴書も「編年体形式」で記載していただくといいと思います。
経歴不記載はNG。枚数は4~5枚まで大丈夫です。
在籍期間が短かったり、応募職種と直接つながりがない経歴だからといって記載の省略はNGです。経歴詐称として内定取消や解雇事由となる場合もあります。
応募職種との関連性が低い職種については、企業の概要と担当業務程度でも良いかと思います。
もちろん、その経歴の中で、MRの仕事に活かせる経験や実績がある場合は別ですよ。大事なアピールポイントですので、ぜひ書類に記載して教えてください。
また、こうして記載事項が増えていくと気になるのが「職務経歴書は何枚が適切なのか」という話ですよね。一般的にはA4用紙2枚ぐらいに収めるのがいいとされているようです。
当社がどうかというと、4~5枚ぐらいまでならば特段多いとは見ていません。特に経験年数が長く、異動などで書くべき経歴が多くなる場合には仕方ない枚数だと認識しています。ただ、だからといって読みにくい書類を作っていいというわけでもありません。箇条書きや簡潔な文章を使って読み手のことを考えた書類にしていただければその分高い評価にもつながります。
実績の記載は直近2~3年でOK。条件により目標未達の時も努力と成果を
実績の記載については、直近2~3年ぐらいがあれば大丈夫です。一つの企業で長くお勤めの場合、過去を思い出しきれないのではということもありますが、最近は2~3年でも大きく社会経済状況が変化します。一番近いところの実績が一番参考になるんです。
この実績については、必ずしも目標を達成できていないからダメということもありません。もちろん、目標が達成できていたらそれに越したことはないのですが、担当するエリアや疾患領域といった担当上の条件によって、また新型コロナのような突発的な事情で実績が出にくいこともあると思います。
その時はその状況の中で何を意識して、どんな取り組みをして、その結果どうなったのかをぜひ実績に併記してください。結果だけでなくプロセスも合わせて総合的に判断させていただきます。
数値目標がない場合は活動の中で意識していた参考数値を書いて
これはMR経験者のみの話になってしまいますが、最近では製薬企業で業務上の数値目標を課さないケースが増えてきているというお話も聞いています。その場合に実績に何を書けばいいのかというと、会社からの数値目標がない場合でも、きっとご自身の中で意識されている数字がありますよね?
例えば営業所全体の前年の売り上げや、担当されている施設の処方数、それ以外でもディテーリングに関する満足度調査などを行っている企業もあったりするのでしょうか?
とにかく、直接的な目標になっていなくても、活動上意識していた数字を目標の代わりに置いて、それに対してのアクションや達成度合いなどを目標と実績として記載してください。この辺は日々の活動への意識や会社への貢献意欲も問われるところ。パッと出てこないという人はあらかじめ時間を取って何かに書き出して整理しておくことをおすすめします。
終わりに~結局、採用担当者は何を見ているのかについて~
ここまで職務経歴書の書き方のポイントについてお話してきましたがいかがでしたか?
何か一つでも、あなたの書類づくりの参考として持ち帰っていただけるものがあればうれしいです。
最後に一つだけ、よくこの手の転職howtoの記事で出てくる、採用担当者は何を評価しているのかのポイントに触れておきたいと思います。
勿論、よく言われる応募職種での実績と行動内容から見える再現性といった、応募職種でどれだけの成果が見込めるかの証左になる情報は大切です。が、当社の応募者に関しては、それ以外にも職務経歴書でチェックしているポイントがあります。それが「書類の作成能力」です。
当社はクライアント先に当社の社員を派遣し、業務を行ってもらいます。業務の中では当然、日次のレポートなどを作る必要も出てくるので、書類をどれだけ丁寧に、また明解に作成できるかというのは、クライアントの信頼が大切な当社の業務にとって重要なスキルだったりするんです。
また、入社後の配属先プロジェクトを選定する際、参考資料になるのが履歴書と職務経歴書です。
当然、面接評価に加えて過去に経験された内容を踏まえて配属先を検討します。ただ、プロジェクトのマネージャーも自社の社員として直接関わったことがなくても、書類の完成度が高ければその分安心してクライアント先へ送り出せます。
応募書類はあなたを示す本当に、本当に大切なあなたの看板です。
現職の傍ら、書類を作るのは時間も手間もかかり大変なものだとは思いますが、この書類が自分の人生を決めることになるかもしれないと思って、丁寧に作ってください。その時にこの記事がお役に立てたらうれしいです。
大変長くなってしまいましたが、ここまでご覧くださりありがとうございました。
当社では、あなたの就職活動に役立つ応募書類のサンプルをこのページにて配布しています。
この記事や前回の履歴書編も見比べながら、応募書類づくりの参考にしていただけたら幸いです。