CMIC Inizioのキャリアガイド
未経験からのMR転職ガイド
異業界から製薬・サイエンスヘルスケアの分野への転職を考えたとき、MRは魅力的な職種です。一方で、ここ数年でMRを取り巻く環境は大きく変化しているにもかかわらず、正直なところ古い情報がインターネット上には転がり続けています…。
転職は人生の中でも重要な分岐点。未経験の業界へのキャリアチェンジを検討する上での参考にしていただければ、と最新の状況を整理してお伝えします。
どんな人がMR転職に成功していますか?
という質問をキャリア相談でよくいただきます。ただ、これって難しいんですよね。転職を決意した理由も人それぞれですし、経験も様々です。大きな傾向としてヒントになりそうな項目を挙げていきます。
志望動機
MRを志したきっかけは様々ですが、多くの方が以下のような志望動機を抱いています。
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社会貢献度の高い仕事がしたい
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医療・ヘルスケアに携わりたい
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収入UPを目指したい
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専門性を持ちたい
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最先端情報に触れていたい
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自己成長を図りたい
年齢
MRへの転職についても他の業界での異業種からのジョブチェンジと同様に20代~30代がボリュームゾーンです。これは、長期的キャリア形成を目指す求職者と採用企業双方のニーズによるものと言えます。
学歴
一般的には大学卒業以上です。当社の場合学歴は不問ですが、大卒相当の学力は求められます。
また、製薬業界というと理系のイメージがあるかもしれません。もちろん薬学知識があればアピールポイントになりますが、MRについては文系/理系はあまり関係ありません。実際にMR全体の約6割程度が文系出身者と言われています。
ただし、医薬品開発は日進月歩。MRである限り学習が続くので知識習得が好き、あるいは苦にならないということのほうが重要です。
資格
MRは一般的に病院等の施設訪問時に自動車で移動します。そのため普通自動車運転免許はほぼ必須の資格といえます。
※MR業務を行うためにはMR認定資格の取得が求められますが、入社前の基礎教育受講は不要です。
経験
異業界からのMR転職において営業経験は歓迎される傾向にあります。また、医師とコミュニケーションをする仕事なので、対話力や傾聴力、丁寧な接遇経験は有利といえるでしょう。
ここがシミック・イニジオのポイント
多くのCSO企業は「営業・販売」経験を必須としていますが、企業によっては幅広く募集しているケースもあります。例えば当社の場合は以下のような職種経験者の採用実績があります。
- 営業/販売職
- 宿泊業(ホテルコンシェルジュ等)
- ウェディング業(プランナー等)
- 観光業(ツアーコンダクター等)
- 航空業界(キャビンアテンダント、グランドスタッフ等)
- 公共・福祉サービス業界(公務員、インストラクター等)
MRってどういう仕事?
定義
Medical Representativesの頭文字をとったもので「医薬情報担当者」と訳されます。
製薬会社の営業職、と言われることもありますが、いわゆる営業職とは少し違います。確かに製薬企業の営業部門に所属しているのですが、MRの本懐は「医薬品の適正な使用を推進する」ことにあります。
患者さんのより良い治療のために正しい情報を医療の現場に届け、医療現場の意見や課題を収集し、より良い医療を実現するという大きな役割を担っています。
担当する製品
製薬企業が製造する医薬品には薬局などで購入可能な「一般用医薬品」と医師の処方箋をもとに薬局で処方される「医療用医薬品」の2つがあります。そして、MRが担当する医薬品は「医療用医薬品」を指します。
仕事内容
製薬企業や担当する製品によって具体的業務は異なりますが、業務の目的は情報の「提供・収集・伝達」に集約されます。
- 医師やその他医療従事者に対し医薬品の適正使用のための情報(有用性・安全性・副作用情報等)を伝達する
- 医療現場での使用感(効果や副作用等)のフィードバックを収集し報告することで新たな開発につなげる
直接医療施設を訪問し医師と面談を行うほか、オンラインでの面談、複数の医療従事者(医師、看護師、薬剤師、等)を対象とした説明会などを実施します。
一方、「営業職」と位置付けられることが多いものの価格の交渉や製品の納品は行いません(医薬品卸企業が担う)
働きがい
「先生から患者さんの症状が改善したと聞くと一番嬉しい」
MRは直接患者さんとコミュニケーションをすることはありません。しかし医師への情報提供を通じて患者さんにとって最適な治療の実現に貢献することが可能です。
「営業職の本質を感じられる」
生命に直結する製品を扱うことから、MRの活動には様々な規制があります。しかしその分だけ、医療従事者との関係構築が重要となり、顧客となる医療従事者の信頼獲得を実感することができます。
「最新の科学的情報で社会貢献につながる」
医薬品の開発研究においては日々たゆまぬ努力が続けられています。イノベーションの最先端情報を扱う専門家として医療の発展に寄与する仕事です。
「裁量をもって働ける」
MRは自身の担当地区や施設について自ら行動スケジュールを組み立て、戦略的に活動します。目標に向け自らプランニングし実行する達成感のある仕事です。
MR認定資格
国家資格ではないため、絶対必要条件というわけではないのですが、実質的にMRとして働くためには「公益財団法人MR認定センター」によるMR認定資格の取得が求められます。
MR未経験の採用を行う企業の場合は、入社後に認定取得の研修プログラムを設けていますので、転職にあたって事前に受講する必要はない場合がほとんどです。
<認定要件>
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MR認定センター指定の基礎カリキュラムを受講修了(およそ2か月間)
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毎年12月に開催される認定試験に合格
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6か月のMR実務経験を修了
転職するには?
製薬企業での中途採用
中途採用を行う製薬企業はありますが、即戦力を求めたMR経験者の採用が主となっています。製薬企業に異業種からの転職というのは、かなり機会が限られているのが現状です。
CSO企業での採用
他方、可能性が高いのはCSO企業への転職です。CSO企業で働くMRは「コントラクトMR」と呼ばれていて、未経験からMRへキャリアチェンジをしたMRが多く活躍しています。ただし、募集時期は各社とも不定期なので、チャンスを逃さないようアンテナを高くしておくことが大切です。
CSOって?
CSOとは、Contract Sales Organizationの頭文字をとったもので「医薬品販売業務受託機関」と訳されます。
業界状況
2023年のMR認定センターによる「MR白書」によるとMR総数は49,682名。そのうち4,409名がCSO企業に所属しています。全体での割合は8.8%ほど。近年この割合は増加傾向にあります。
日本CSO協会には国内CSO企業5社が加盟しており、コントラクトMRのほとんどはこれらの企業に所属しています。国内CSO業界の歴史は1998年に始まり、今ではそれぞれの企業が特色ある営業支援等のソリューションを展開しています。
働き方
「コントラクトMR」は製薬企業とCSO企業間の契約(Contract)に基づいて組織された「プロジェクト」に所属し、それぞれの勤務地に配属されて業務にあたります。多くの場合は派遣形態となり、クライアント(製薬企業)の営業所等を拠点として勤務することになります。MR業務に関しては製薬企業のMRと違いはなく、営業所長の指示のもとで施設訪問、情報提供活動などのMR業務を行います。
CSO企業にも担当マネージャーがつき、コントラクトMRに対する就業環境や業務上の相談・助言、人事評価等を行うのが一般的です。
キャリア
製薬企業所属のMRと最も異なる点がキャリア形成のあり方です。コントラクトMRは定められた契約期間ごとに、異なるクライアントの異なる製品を担当することになります。このため、製薬企業所属のMRと比較して短期間に多様な製品経験、疾患領域の経験を重ねることになります。
そしてこれこそが幅広い疾患知識、多様な営業戦略経験を持つというコントラクトMR最大の「強み」。同じCSO企業に所属していても十人十色のキャリアパスを描くことができます。
これからのMRの役割
ある程度MRについて調べた方ならご存じの通り、MR総数は2013年をピークに減少傾向が続いています。同時にMRの役割も大きく変化してきています。2019年に「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」が運用開始となり、関連業界団体、各製薬企業においても自主基準を設け、これに基づいたMR活動が求められています。
これを「活動の制限」と見る構えもありますが、MRの原点回帰であることに違いありません。本当の意味で患者さんと医師の治療(処方)に貢献する、新しいMR像が生まれようとしており、MRは再び進化中の職種だといえます。
シミック・イニジオの場合
シミック・イニジオとは
シミック・イニジオは、国内の治験支援事業のリーディングカンパニーであるシミックグループと、欧米を中心に多様なCSOサービスで製薬企業と医療従事者間のエンゲージメント強化を支援するInizio Engageの2つの親会社を持つCSO企業です。
シミック・イニジオの強み
両親会社のベンチャースピリットを受継ぎ、革新的サービスの開発とニーズに応じた柔軟なサービス運営を行い、コントラクトMR事業を中心に様々なサービスを展開しています。多様で柔軟性のあるサービスこそが当社事業の最大の強みです。これを背景として大手企業から国内市場新規参入の製薬企業まで多様な顧客とのお取引があることで、豊富なプロジェクトの運営を行っています。
そして、CSO企業としては後発(2000年創業)でありながら成長を続ける原動力は、人財にあります。製品を持たないCSO企業として、唯一の財産である人財に関する施策に注力し、人財開発とマネジメントの品質を両輪に、あるべきCSO企業の実現に向けて進化を続けてきました。
MR認定資格試験合格を目指して
当社では社内の専門部署のスタッフによって認定資格取得のための「導入研修」を行っています。毎年12月の認定資格試験に向けて、約3か月の集中的な研修と試験直前までのフォローアップ研修を行なっています。また、MR認定資格に関するトレーニングだけでなく、実践的なビジネススキルの研修など独自のプログラムを行うことでMR転職のスタートダッシュをサポートしています。
活躍している人
シミック・イニジオのコントラクトMRのうち、大多数は製薬企業でのMR経験を経て入社された社員ですが、異業種からMRにキャリアチェンジをした社員も多数在籍しており、経験も個性も豊かな人財が活躍しています。
未経験からMRに転職し、経験を経たのちにマネジメント業務を行う社員も年々増加しています。
当社で活躍する社員の前職経験
巷の「未経験からのMR転職」の情報を見てみると「営業経験必須」の記述が目につきますが…、当社では様々な経験を持った社員がMRとして活躍しています。
- 営業/販売職
- 薬剤師
- 宿泊業(ホテルコンシェルジュ等)
- ウェディング業(プランナー等)
- 観光業(ツアーコンダクター等)
- 航空業界(キャビンアテンダント、グランドスタッフ等)
- 公共・福祉サービス業界(公務員、インストラクター等)
転職準備
自己分析
人生の大きな節目となる転職にあたって最も重要で最も時間をかけるべきは「自己分析」です。
ぜひたっぷりと時間を使ってください。
- なぜ転職したいのか
- 転職でかなえたいことは何か
- これまでどんなことをしてきたのか
- 自分ができることは何か
これらを整理するのに有効なのは「職務経験の棚卸」です。職務経歴書作成と自己分析は並行して開始するのがお勧めです。
経験の棚卸
「職務経歴書」作成にも直結する大事な工程です。
単に「何をしたか」ではなく、どう向き合い、どう攻略したのか、何を学んだのか、という視点を持って振り返り、書き出していきましょう。ご自身が何を大切にし、何をやりがいと感じているのかといった「仕事観」を言語化できるまで分析することが大切です。
業界・職種研究
異業界・異職種への転職は情報収集が一層重要になります。まして、本記事で繰り返し触れていますが、製薬業界、MRを取り巻く環境は大きく変化をしています。となると、新しい情報なのか古い情報なのかの見極めが必要になります。
ところがインターネットの落とし穴がありまして、掲載ページの更新日と内容が必ずしも一致していない…というケースが非常に多くあります…。最新の日付なのに引用データが古い、といった分かりやすい違和感があればいいですが、そうとも限らないのが最近のインターネット。
そこで当社では面接とは別にキャリア相談を行っています。転職活動においては、こうした相談窓口を活用するのは良い方法です。
履歴書・職務経歴書
MRへの転職に限りませんが、履歴書と職務経歴書の整合性は点検しておきましょう。書きやすい履歴書を先に書いて、あとから職務経歴書…、と着手に時差があるとちぐはぐな内容になりがちです。
新卒採用では手書きの履歴書が好まれるという傾向がまだあるようですが、中途採用の場合はさほど重視されず、純粋に内容や正確さ、構成力が重要になります。むしろデータ作成を推奨するケースも少なくありませんので、提出書類の要件は確認をしっかりしましょう。
これまでの経験とMRの接点を見つける
「職種が違うから考えにくい/書類が書きにくい」と感じるのはいたって自然なことです。
職種経験者の採用とは異なり、採用担当者がその業界に精通しているとは限らないため、どこまで詳細を書けばいいのか悩む人は多いでしょう。
そんな時に大切なのは、それぞれの事象の根底にある本質を抽出することです。本質が見えるとMRとしての業務に活かせる経験が見えてくるはずです。
また、志望先企業の理念や掲げている人物像などがあれば、ご自身とリンクする項目がないか考えてみるのもよい方法です。
〈こんな要素があればしっかり伝えましょう〉
- 計画実行力
- 課題発見/解決
- 目標達成意欲
- 自己成長
- 対人コミュニケーション
- チームワークと個人プレーのバランス
- 組織への貢献
面接
面接の限られた時間で、あなた自身がMRとして活躍している姿をイメージさせられるか、は大事なポイントです。MRは医療現場である病院に訪問し、医療のプロフェッショナルである医師等と面談する仕事。清潔感ある身だしなみ、真摯な態度、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
そしてMRの必須スキルの筆頭はコミュニケーション力。多忙な医師に情報提供できる時間は限られており、時には1~2分ということもあります。伝えたい内容の背景から順を追って…ではなく、結論ファーストで回答するのを意識すると良いでしょう。
採用面接において自信をもって堂々と応答していくためには、何よりも事前準備が必要です。志望動機、過去の実績、転職後のビジョンを整理し、自分の言葉で発言できるよう本質を整理していれば動じることなく伝えられるはずです。(ちなみに、面接では緊張するのは当たり前なので、それだけがマイナス要因になることはありません。アガってしまっても熱意は伝わります!)
最後に、面接は面接官が合否を見定める機会というだけではありません。あなたご自身の疑問や不安を解決し、ご自身が活躍したい場と思えるかを判断する場でもあります。言うまでもなく質問することもまたあなた自身のコミュニケーション力を伝えるアクションです。事前に抱いていた疑問、面接の中で生じた疑問はもれなく確認して、晴れやかにキャリアチェンジの切符を獲得していただきたいと思います。
キャリア相談を活用してください
人財サービスを主軸とした事業を行う企業として、シミック・イニジオはご自身のキャリアを切り拓き、自身の付加価値を高めたいと考える人を応援したいと考えています。
こうした思いからCSOや当社の働き方に興味をお持ちの方を対象として電話・オンライン面談でキャリア相談を行っています。
- コントラクトMRの働き方を詳しく知りたい
- 自分の経験が活かせるのか知りたい
- 将来のキャリアについて相談してみたい
といった異業界・異職種からのMR転職を検討中の方からのご相談をいただいています。
相談はもちろん無料ですので、ぜひご利用ください。
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