~未経験から始めるMR~異業種出身の女性がMRになるまで
CMIC Ashfield ノート
こんにちは。
TBSドラマ『私の家政婦ナギサさん』(わたナギ)、ご覧になっていますか?高視聴率を記録しているとのこと。多部未華子さん演じる主人公「相原メイ」がMR職ということもあり、当社でも多くの社員が視聴しています。
専門的な職業(特に医師、弁護士、建築家など)が映し出されるドラマや映画は、その職業ならではの悩みや、その職種ならではの出来事などが描かれて興味深い一方で、実際の職業とのギャップもあり、その職種で働く方々にとっては「ここ現実とは違う!」ということもありますよね。ただドラマは視聴者を楽しませるというミッションがありますので、そこはご愛敬とも思います。
MRも専門的な職業で業界独特の世界があります。そこで今回はドラマの中のMRと実際のMRの違いを楽しく解説できればと思い、元MRの社員に話を聞いてみようと社内を見回してみると…。いました!ピッタリな人財が!
その社員の名前はなんと「サナギさん」!
ということで、サナギさんに現実と「ナギサさん」ドラマの共通点や違いなど、色々聞いてみました。業界の方にはきっと共感していただけるはず…。またドラマをきっかけにMRについて興味を持った方、MRを目指してみたい方の参考になりましたら嬉しいです。
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Writer: GEN
コーポレート・コミュニケーション部所属。テレワーク中のリフレッシュ方法は散歩。
大自然に囲まれたエリアに在住しているためにセミの鳴き声がweb会議で目立ってしまうこの頃。
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Vol.1
①MRは文献を持って行けない。
②ライバルとは会話さえできない!?
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①MRは文献を持って行けない
GEN:
サナギさん、第1話で相原メイMRが、お医者さんに何か資料を見せながら一生懸命に医薬品の説明をしていて、誰かにぶつかってしまい資料をバサっと落としてしまうシーンがありましたよね。実際のMRもあのような感じなのでしょうか?
サナギさん:
そうですね。忙しい医師に数分だけでも話を聞いてもらうために必死な姿はMRそのものですね。
ただ気になったのは、相原メイMRが「文献」を医師に見せていたところですねぇ。
GEN:
え、文献見せるのは何か問題があるのですか?
サナギさん:
資料を沢山持っていることはあるのですが、それは「資材」というもので、医薬品のパンフレットなどがそれにあたります。「文献」はMRが医師に提供することは販売情報提供ガイドラインで規制されていて、文献提供が非常に難しくなっています。実際は、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)であればドクターから依頼があり、承認範囲内であれば文献を提供できることもあります。でも、社内外の審査が通らないとNGです。
ちなみに数年前まではMRもドクターからの依頼があれば文献を提供できていたのですが、最終的に患者さんに処方される医薬品に不公平が生じ、またリスクでもあるため禁止されるようになったんです。
GEN:
あらー。。では今のルールではメイちゃんNGですね。
サナギさん:
そういうことになりますね。また、ドラマでの相原メイMRが勤務する天保山製薬は結構な規模の製薬企業と思いますので、文献を見せたりドクターに渡したりしているところを医療従事者やほかのMRに見られたら、すぐに違反していることが報告されてしまうと思います。
GEN:
MRってどこの製薬企業に勤めているかすぐにわかってしまうものなのですか?
サナギさん:
そうなんです。MRは所属する製薬企業で自分の担当するエリアが割り当てられると、各医療機関に前任者と挨拶回りをします。そのときに医師だけではなく、他社のMRにも挨拶をするんですね。
だからここで顔が割れてしまうのです。
GEN:
なるほど。悪い事はできないですね(笑)
②ライバルとは会話さえできない!?
GEN:
同じエリアを担当するMR同士はライバルであっても挨拶する、ということは、やっぱりドラマのように情報交換会ということもありえるのですか?
サナギさん:
いやー・・あれはドラマだからですね。確かにライバル企業のMR同士でも挨拶はするのですが、競合製品を取り扱う製薬企業のMRとはまず情報交換をしないでしょう。自社の手の内を明かすことになるので。
GEN:
確かに。ただ、ドラマの中で情報交換会では製品の話はそんなにしていなかったですね。情報交換会という名の普通の合コン的な飲み会みたいでしたね。
サナギさん:そうですね。あんな風に和やかな感じがあったらそれはそれでいいなぁと思いながら観ていました。
私の経験では、ライバル企業のMRとは最初の挨拶以外は話をしたことがありません。病院でドクターと話をするために医局の前で待っている間でも隣同士に立っていながら一言も話さなかったです。現場は結構ピリピリなんです。
GEN:
なるほど。でも、ドラマですものね。ましてやメイちゃん可愛いのでバッタリ出会ってしまったら声かけちゃったりしそうですね。
サナギさん:
そうそう。ドラマはファンタジーなのであれでいいんだと思います。
GEN:
競合製薬企業のMRと隣同士に立っていた、ということですが、ドラマではMRが立ってドクターを待つシーンはないですね。私の中ではMRは医局の前で整列しているイメージがあったのですが。
サナギさん:おっしゃる通り、昔はずらーっとMRが並びドクターを待つ、いわば出待ち状態でしたが、最近は医療機関による「訪問規制」というものが厳しくなっているため、あらかじめ決められた時間にアポイントを取ってから訪問することが増えてきています。
GEN:
どうして訪問規制が厳しくなったのですか?
サナギさん:
いろいろ背景があるのですが、まず、ドクターが多忙であることや医療機関のセキュリティー強化が挙げられます。あとは過去のMRの行動に対してのクレームなども関係していますね。
GEN:
今と昔では MRの働き方も変わってきているのですね。
サナギさん:
はい。特にここ数年で大きく変わりました。
GEN:
そういえばMRの仕事について、おさらいさせてください。
ドラマのあらすじをまとめた番組で、MRは「いわば製薬会社の営業」と説明されていましたが、本当はちょっと違うよな~と思って観ていました。
サナギさん:
確かに、本来のMRの仕事は「医薬品の適正な使用に資するために、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供すること」ですよね。
GEN:
はい。でも普通の会社の中の役割で限りなく近いのは営業職ですものね。「いわば営業」ならいいのかもしれないですね。それにMRの仕事を説明すると単純ではないのでドラマ的にはそういう説明にしておく方が早いですよね。
今日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。
次回も引き続きナギサさんのここが違う!を面白く解説したいと思いますので引き続きよろしくお願いいたします。
サナギさん:
ありがとうございました。はい、次回もしっかり観ておさらいしておきますね。
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いかがでしたか?
私自身、MR未経験者なのでドラマを観ていても現実との違いを結構スルーしてしまうのですが、話を伺っていると答え合わせのようでドラマがさらに面白く感じました。
それでは次回のブログもお楽しみに!
(ドラマ最新話を観ていたところ、な、なんとナギサさんもMRだったことが判明っ…!ますます今後の展開に目が離せません! ちゃちゃを入れていますが楽しみにしています。)
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MRの仕事について詳しくはこちらをご参照ください。
MRとは?(MRの職種説明のページです)
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