こんにちは。
メディカルアフェアーズ(MA)人財の養成講座「MAアカデミー」運営事務局です。
MAアカデミーにはご自身のキャリアアップのために講座受講されている方もいらっしゃいます。
昨年に引き続き、キャリアの参考例として、MRからMSLにキャリアチェンジした方のお話を共有したいと思います。MSLへのキャリアチェンジに興味がある方は、ぜひご一読ください!
大学卒業後、化学系商社に入社し、4年ほど営業職として勤めました。その後、CSOに転職し、MRとして2社のプロジェクトに参画。そのうちの1社である内資系製薬会社に転籍し、MRとして7年ほど勤務した後、MSLにキャリアチェンジしています。現在MSLとして3年目です。
私がMSLに興味を持ったのは、「より良い形で医療に貢献したい」という思いが強くなったからです。医師への情報提供制限が厳しくなり、各社同じような活動が繰り返される中で、医師側がMRから情報提供に対し満足度が低下していると強く感じることが増えていきました。また、MR活動の場合、どうしても自社医薬品の販売やマーケティングに焦点が当てられるので、患者さんの視点を見失いがちになることも気になっていました。
一方、MSLであれば、市販前活動やリアクティブ対応などを含め、より顧客志向な情報提供やディスカッションができるのではないかと考え、憧れを抱くようになりました。私の場合、理系の学士卒のため、MSLとしてキャリアを歩むのは難しいのではないかという漠然とした不安もありましたが、採用面接で今までの経験や想いを訴求した結果、MSLとして採用されることになりました。
MR時代の経験はいずれも役に立っていますが、特にプレゼンテーションスキルやコミュニケーションスキルを高められていたことは自分自身のアドバンテージになっていると思います。
MSLの業務では、MR時代に比べてプレゼンテーションの機会は少ないものの、医師からの質問に対して論文や資料を詳しく説明する機会が頻繁にあります。そのため、細部にわたる説明が求められることが多く、MR時代に培ったプレゼンテーションスキルや説明力を活かせていると感じます。
情報を伝える際には、受け手の捉え方や状況を考慮することが重要だと思います。例えば、KOLとは限られた時間で面談することになるため、要点を簡潔にまとめて的確に伝えることが求められます。長々と話すのではなく、重要なポイントを事前に検討し、要領よく説明することが不可欠です。このような思考の習慣化も、医師と良好な関係構築を行う上で役立っているように感じています。
さらに、ビジネス視点を持っていることもポイントになっています。メディカルアフェアーズとはいえ、患者貢献活動のみでは成り立ちません。たまにご自身の興味のある活動のみに注力する方がいらっしゃいますが、それでは会社や組織が上手く成り立ちません。会社のビジネス方針を理解しつつ、メディカルやMSLとしての活動をどう展開するか。これらを考える柔軟な視点やマインドが必要です。このような視点は、MR活動をしていたからこそ得られたと思っています。
領域によって異なるかと思いますが、私が担当している領域は情報のアップデート頻度が速く、情報量としても多いのではないかと思います。MSLの場合、自社の医薬品の論文だけではなく、病態や疫学調査の論文など幅広く網羅しなければなりません。膨大な量の情報をどう整理し、効率的にインプットしていくべきか。慣れるまでは大変でした。
さらに、MSLは専門的な知識を持っていると社内外のステークホルダーから認識されており、その期待に応えなければなりません。なので、現在も週に5本程度の論文は読むように心掛けています。
理系学士卒でMSLになるのは難しいと感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にやってみると何とかなるものです。MRとしての経験はMSL活動に確実に活かされます。「中長期的な視点で患者中心の医療に貢献したい」という強い思いがある方には、ぜひ挑戦してほしいです。
いかがでしたか。
メディカルアフェアーズの領域では、このように他職種の経験を活かして活躍されている先輩が沢山いらっしゃいます。
MAアカデミーは2018年より開講し、2025年1月時点で800名を超える方に受講いただいています。ご興味をお持ちの方はぜひご検討ください。