MR認定資格とは
MR(Medical Representatives)は医薬品の適正使用のために医療関係者とのコミュニケ―ションなどを通じて医薬品の有効性・安全性・品質に関する情報の収集・伝達することを主な業務としており、業務を行ううえで、以下を備えていることが求められています。
〇MRに求められる能力
1.倫理観
医療の一旦を担うものとして持つべき高い『倫理観』。
2.知識
医学・薬学知識に加えて関連法規や制度、さらに製品に関する『知識』。
3.スキル
情報の提供・収集・伝達を行うためのコミュニケーションなどの『技能(スキル)』
このうち「倫理観」や「知識」を確認するのがMR認定試験です。
MR認定資格は医師や薬剤師のような業務独占の資格ではないため、法的には資格を持っていないからと言って、MR活動が出来ないということはありません。しかし、ほとんどの製薬企業やCSO企業では認定資格の取得を勤務の条件としており、事実上、国内でMR活動を行うには必須の資格となっています。
認定試験について
スケジュールと試験科目
試験は毎年12月に東京と大阪で行われます。『医薬品情報』『疾病と治療』『MR総論』の3科目があり、受験者はこの全てに合格する必要があります。ただし、医師・歯科医師・薬剤師の有資格者については『MR総論』以外の2科目の受験が免除されます。
合格率は平均80%です。
80%と聞いてちょっとホッとしますか?でもMRになるなら合格は必須ですので油断は禁物ですよ!
ちなみに合格のボーダーラインは科目毎や受験する年によって若干変動します。また医師等も受験する『MR総論』は、ボーダーラインが若干高くなる傾向があります。
受験するには
認定試験の受験資格を得るにはMR導入教育を受講し、『基礎教育』の内容を習得しなければなりません。
〇基礎教育のカリキュラム
□医薬品情報:薬学を中心とした薬剤の作用や、薬剤の添付文書について
□疾病と治療
├基礎:基本的な人体の仕組みや機能
└臨床:主な疾病の病因、診断、検査、治療について
□MR総論:MRに求められる倫理や医療制度、関連法規など
導入教育は製薬企業や私たちCSOの他、MR認定センターが定める機関でも受講することができます。
文系でも大丈夫?
薬学というと理系のイメージがあると思いますが、実際には理系の知識はそこまで求められることはなく、文系大学出身のMRの方が多いくらいです。学習当初は理化学の用語に戸惑うかもしれませんが、興味を持って学習すれば文系でも理解できます。
ちなみに、シミック・イニジオに入社したMR未経験者の約80%は文系学部の出身者です。
導入教育は一般的に入社後、各企業で実施されるものですが、製薬企業の中には私たちのような外部の企業に教育研修の実施を依頼するケースも少なくありません。それだけに私たち研修部門には高品質な研修を行うことが求められ、毎回緊張感と責任感を持って研修に臨んでいます。
シミック・イニジオの研修とは?
シミック・イニジオでも、毎回全員合格を目指して教育を行っています。
今年の5月に入社されたMR未経験者の試験日が間近ということもあり、現在、人財開発部は大忙しです。さらに2020年の1月には次のMR未経験者が入社される予定なので、来年度の試験に向けたカリキュラムも考案中です。
当社の導入教育ではエキスパートによる、勉強方法のコツを交えた必須科目の講座はもちろん、
グループワークや毎朝の一分間スピーチなど、MRとしてスムーズにスタートを切るための様々なカリキュラムをご用意しています。
約二か月間の導入教育終了後はクライアントの製品研修を経て各企業へ配属されるのですが、配属後のサポートも万全です。業務の合間でいつでも勉強できるようにスマートフォンアプリも提供しています。
夏頃になると試験に慣れるために模擬テストを数回受験していただき、この結果とe-ラーニング等の習得度を踏まえて、WEBでの補講や合宿も実施します。
12月の試験直前には強化合宿を行い、試験当日は合宿の参加者が全員一緒に合宿先から試験会場へ向かいます。
受かるコツと、受かる人/受からない人の傾向
受かる人の傾向は、ずばり、素直かどうかです。逆に受からない人の傾向は、自分のやり方に固執してしまう人ですね。
MR認定試験合格のコツも講師陣や周囲のアドバイスを素直に受け入れられるかどうかが大切です。私はよく「真似る」と表現しますが、文字通りエキスパートを真似て学習することが合格のキーになると考えています。
この「真似る」ことは認定試験のみに限った話ではなく、MRの現場で会話や医師とのコミュニケーションの仕方を身に着けることにもつながっていますので、是非講師陣の手法を見て学んで下さい。
また、学習には何よりコツコツと継続することも重要ですので、お忘れなく。
受からなかったらどうする?
初回受験から5年間は不合格になった科目を再受験でき、これに合格すれば資格を取得できます。ただし試験に合格しないことにはMRとしての活動もできませんので、1回で合格しましょう!
2020年からMR認定試験が変わる?
MR認定試験の出題形式と試験時間が第27回認定試験(2020年12月13日実施)から変更されます。これまで、出題形式は正誤問題と三肢択一問題、五肢択一問題の3種類でした。それが全て五肢択一問題となり、より内容理解を問う形式となります。
また、解答時間が1科目あたり10分延長されます。問題数は「MR総論」80問、「医薬品情報」80問、「疾病と治療」110問の合計270問で変更はありません。
対策は?
私たちが実施する導入研修は、詰め込み式ではなく、理解したうえで知識を蓄積できるプログラムです。しっかり理解していれば、出題形式が変わっても難易度が上がるわけではないので、恐れる必要はありません。
メッセージ
MR認定試験の合格はMRとして仕事をする最初の一歩となります。多くの知識の習得が必要ですが、医療へ貢献したいという気持ちを持ってしっかりと学習と準備をすることで誰でも合格を勝ち取れると思いますので、是非一緒に合格を目指して頑張りましょう。
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ここまでMR認定試験について語ってきましたがいかがでしたか?採用ブログでは実際に未経験の方が認定試験に挑んだ体験記や、MRとしての仕事の様子がわかる記事も多数掲載しています。また職種紹介のページには未経験からMRを目指される方に知っておいてほしい基本的な事柄をまとめていますので、併せてご覧いただけるとより理解が深まると思います。
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