テレビドラマ「私の家政夫ナギサさん」をテーマに、ドラマの中のMRと実際のMRの違いを楽しく解説していくシリーズのブログ第2弾です。
前回は元MRである当社のサナギさんに、「ここが違う」というポイントを伺いましたが、今回は「これは実際にもある!」というドラマのシーンをピックアップし、解説していただきました。
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Writer: GEN
コーポレート・コミュニケーション部所属。テレワーク中のリフレッシュ方法は散歩。
大自然に囲まれたエリアに在住しているためにセミの鳴き声がweb会議で目立ってしまうこの頃。
最近は秋に近づいたのかセミの合唱も控えめになってきたよう。
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Vol.2
① 高級マンションの不思議
②ライバルとは会話さえできない!?
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- ①高級マンションの不思議
GEN:
サナギさん、すでに第5話まで放映された「私の家政夫ナギサさん」ですが、ここで全体を通して気になっているコト、聞いてもいいでしょうか。
サナギさん:
どうぞどうぞ。
GEN:
それではまず、相原メイMRのお住まいから。第1話の時から、広っっ!と思っていたのです・・しかもまだ28歳。ドラマだからなーっと思って毎回観ていたのですが、MRってあんな素敵なマンションに住めるのでしょうか?
サナギさん:
そうですよね、あの若さであの広さ、しかも立地も良さそうです。でも、結構そうなんです。
GEN:
えー!そうなんですか。
サナギさん:
MRって、年収は高い方だと思います。異業界の方からすると驚くかもしれませんね。
もちろん企業によって様々なのですべてのMRというわけではないのですが、MRがあれくらいのクオリティのマンションに住むことは実は稀ではありません。一般的にMRはベースの給与が高く、さらに給与とは別に外勤した日は日当と呼ばれる経費が支給されます。それから、社宅制度が整っている製薬企業が多いのでその分家賃負担を抑えて暮らすことができるんです。
まして、メイはどうやらなかなかのエースMRのようですからね。彼女自身の評価も高いのでしょうし、あの営業所のハイセンスなインテリアからいってもかなり会社の業績もよさそう。だから広くて立派なマンションに住んでいても、まぁ、あり得なくはない話なんです。
GEN:
なるほど~!
②MRが隣同士に住む!?
GEN:
ドラマではメイMRと田所MRが同じマンションのお隣さん同士という設定ですが、そういう偶然もあり得るんですかね?
サナギさん:
そうなんです。私もMR時代に住んでいたマンションの同じ階や別の階に他社のMRや同じ会社のMRが住んでいたこともありますよ。
営業車も駐車できる場所があって、駅からもある程度の距離で・・・となると選ぶ物件も似てくるのかも?
GEN:
ばったり会ってしまったり、ってこともありそうですね。
それにしてもMRのみなさん、割と良いところにお住まいのケースが多いんですねー。MRは医療に携わる仕事という魅力はもちろんですが、報酬が高いことも魅力の一つですね。モチベーションにもつながりますし。
サナギさん:
そうですね。だからこそ目標達成のプレッシャーは結構あります。企業もそれだけの報酬を払うのだから数字(目標)を達成しなさい、と。
GEN:
確かに、それはそうですよね。でも目標達成は大変そう・・・
③処方をめぐるMRの静かなるバトル・・・!
GEN:
ドラマでメイMRが田所MRに処方を切り替えられてしまう回がありましたけれども、それは先ほどの数字(業績)に直結してくるのですか。
サナギさん:
そうなんです。まず営業所全体で数値目標が立てられ、それがメンバーに割り振られるのですが、その数値目標を達成せねばとMRはみんな必死です。だからメイのように競合他社に処方を切り替えられたらかなり凹みますよ。
GEN:
そうなのですね・・・メイMRのあのがっかり具合からどれだけ必死だったのが分かりますね。MRの目標数値というのはドクターにどれだけ処方をしていただくか、ということで決まるのですね。
サナギさん:
はい。MRはドクターに直接医薬品薬を販売したり価格交渉はできません。いわゆる「営業」との分かりやすい違いの一つですね。情報提供をした医薬品をドクターが患者さんに処方していただけるかどうか、特に『新規採用』が重要なんです。「新規採用とは、新たにドクターが患者さんに処方していただけるようになることを言うのですが、目標達成のためにはとても重要なのです。
昨今は処方の獲得だけではない評価軸を設ける会社も増えています。医薬品の適正な使用を推進していくというMRの使命に基づく活動を適切に評価しようという動きの一つともいえますね。
とはいえやはり、自分が情報提供を行った結果、自分の担当製品をドクターが採用してくれたら嬉しいものです。田所やメイも、病院の特性を分析して肥後先生に話していましたよね。相手のニーズをくみ取り、提案したものが認められる喜びというのは「営業」とも通じていると思います。
ちなみに医薬品の販売や価格交渉は実際には医薬品卸の担当者が行います。業界ではMS(マーケティング・スペシャリストの頭文字から)さんと呼んでいます。飯尾和樹さん演じる駒木坂さんの役どころですね。MSさんはMRとは違った角度でドクターや薬剤部との密接な関わりを持っているので、MRは普段からMSさんと良いコミュニケーションをとっておくことも重要です。
GEN:
だからメイMRたちはよく飯尾さん(駒木坂さん)に会いに行っているのですかー。あれは何でなのかしらと思っていました。
サナギさん:
そうそう。
担当製品や施設にもよりますが、朝は営業所に出勤する前に卸さんを訪問して情報交換するところから1日がスタート、というMRが大多数です。
でもちょっと駒木坂さんは色々知りすぎているところはありますが(笑)
GEN:
そこはドラマということで(笑)飯尾さんの演技は個人的にツボです。
さて、まだまだ伺いたいことが沢山ありますが、今回はこの辺りで。
本日はありがとうございました。
また次回も色々と教えてください!
サナギさん:
はい、次の放映も楽しみに観ておきます。もちろん予習として(笑)
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今回はこれはあり!というポイントをサナギさんに教えていただきました。
ドラマの展開が気になりますが、このブログも引き続き更新させていただく予定です!どうぞお楽しみに。
前回のブログはこちら
サナギさんに聞く、"ここが違うよ『私の家政夫ナギサさん』"
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MRの仕事について詳しくはこちらをご参照ください。
MRとは?(MRの職種説明のページです)
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